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勤怠打刻はスマホで簡単に!タイムカードや紙の処理から脱却するには

[2021.11.19]

目次

    労働安全衛生法の改正によって、2019年4月1日から「労働時間の客観的な把握」が企業に義務付けられました。「労働時間の客観的な把握」については罰則規定が設けられていませんが、労働時間を適切に把握してなかったことが原因で、結果的に労働時間の上限規制に違反することになれば罰則を科せられる可能性があります。

    少子高齢化によって人手不足が深刻化するなか、優秀な人材を獲得するためにも、勤怠管理を厳格に実施して労働時間を把握し、良好な職場環境の構築に努めることが重要でしょう。いい加減な勤怠管理に基づく給与計算を実施して、後からミスが発覚するような事態が起こると、離職する従業員が出てくるかもしれません。

    近年、「従業員がICカードを読み取り端末にかざしたり、スマートフォン用アプリを操作したりすることによって始業・終業時刻を打刻し、その情報をデータベースに取り込んで労働時間を算出し、給与を計算する」というシステムを導入する企業が増加中です。

    その一方で、「紙の出勤簿にペンで記入(または、押印)したり、タイムカードに打刻された情報を表計算ソフトに手で打ち込んだりしている」という企業も依然として存在します。タイムカードや出勤簿といった紙ベースの仕組みを使用している場合、しばしば数字の記入ミスや転記ミスが発生するため、労務担当者の業務量が増え、頭を悩ませているかもしれません。

    スマートフォン用アプリなどから打刻可能な勤怠管理システムを導入すれば、紙ベースの処理に比べて人為的なミスが発生しにくくなります。企業側と労働者側の双方にとって便利な仕組みなので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

    そこで本記事では、スマートフォンなどから勤怠打刻を簡単に行うためのシステム・アプリがどのようなものなのか、また、タイムカードや紙の処理から脱却するために注意すべきポイントは何なのかについて解説します。

    参考:宮崎労働局「労働基準法・労働安全衛生法等の改正について」

    1.勤怠打刻システム・アプリについて

    「勤怠打刻システム」あるいは「勤怠打刻アプリ」とは、従業員の出勤・退勤時刻を正確に記録するために使われるシステムやアプリのことです。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、始業時刻や終業時刻を確認・記録するための原則的な方法して、以下の2つが示されています。

    ・使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録する

    ・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等といった客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録する

    紙に手で記入したり表計算ソフトに手入力したりすることも容認されていますが、ミスが発生しやすいので、なるべく機械的・電子的方法を選択しましょう。

    勤怠打刻システム・アプリは、単に出退勤時刻を記録するだけではなく、記録されたデータに基づいて残業時間や欠勤日数などを把握し、各従業員の労働時間に応じて支給すべき給与を自動的に計算する機能も含まれているため、労務・経理担当者の手間を削減できます。なお、クラウド型の勤怠管理サービスであれば、オフィス単位ではなく、本社で一括管理することも可能です。

    参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

     

    2.勤怠打刻システムを使っていても…

    勤怠打刻システムは便利なものですが、さまざまな理由から上手く使いこなせていないケースも散見されます。以下、よくある事例についてご紹介します。

    2.1結局紙で処理してしまう

    人間はさまざまなミスをする存在です。当然、タイムカードやICカードで打刻することを忘れてしまう事例も一定程度は発生するでしょう。労務を担当している方は、日報を確認したり記憶を辿ったりしながら、出勤簿や表計算ソフトで勤怠情報の修正をした経験があるかもしれません。

    なお、ICカードを読み取り端末にかざしたり、スマートフォン用アプリを操作したりして打刻をする勤怠管理システムを導入した場合でも、従業員が打刻を忘れるケースがゼロにはなりません。打刻漏れが発生した場合は、修正作業が必要です。

    しかし、ITに詳しい担当者がいない場合、「仕組みが良く分からないため、PDFファイルなどに出力したうえで紙ベースで修正作業する」というケースも見受けられます。これでは、何のために勤怠打刻システムを導入したのか分かりません。労務担当者に研修を行ったり、ITに強い人材を育成したりして、勤怠打刻システム・アプリを有効に活用できる環境を整えましょう。

    2.2派遣先のシステムに合わせなければならない

    従業員を別の企業に派遣している場合、賃金の支払いについては派遣元企業が責任を負うことになりますが、従業員の始業・終業時刻の管理については派遣元企業ではなく、派遣先企業が責任を負うことになります。

    そのため、派遣先の勤怠管理システムに合わせることを求められて、派遣元である自社のシステムにスムーズにデータを移行できなかったり、不具合が発生したりするケースがあるかもしれません。あらかじめ、自社の勤怠管理システムと連携可能なシステム・アプリを使うように要請しておくと良いでしょう。

    派遣以外にも、「出張」「直行直帰」「リモートワーク中」といった事情から、自社のオフィスに立ち寄らない従業員も一定の割合で存在するでしょう。「従業員がタイムカードやICカードを使って、オフィスに設置してある装置で打刻している」という手法で勤怠管理を実施している企業においては、職場に顔を見せない従業員については始業・終業時刻をスムーズに把握できません。

    従業員がどこにいても始業時刻・終業時刻を自動的に管理できる体制を構築するために、「スマートフォン・タブレット端末などから打刻し、クラウド上でデータを保存する勤怠管理システム」の導入をおすすめします。

    参考:厚生労働省「派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために~派遣元・派遣先の責任区分の十分な理解と相互の連携を~」

    2.3給与反映までが手作業

    特殊な労働時間制度(みなし労働時間制やフレックスタイム制など)が適用されている従業員に関しては、個別の設定をしなければ正確に勤怠管理を行えません。

    設定を変えない状態で、他の従業員と同じように始業・終業時間を打刻していると、「1日の労働時間が8時間に満たない」とシステムが判断してしまったり、逆に「8時間を超過している」という判断から「残業」として扱ってしまったりする状況に陥ります。

    労務担当者が、システムの細かい設定方法を理解していない場合、手作業で労働時間の算出や給与計算を行うことになるかもしれません。勤怠打刻システム・アプリは、業務を効率化するために導入するものです。手作業で計算している状態では、コストをかけて運用する意味がなくなります。

    「システムさえ導入してしまえばそれで良い」というものではなく、操作方法を熟知した人材の育成も不可欠です。

     

    3.勤怠打刻システム導入時の注意点

    会計や税務、販売管理、生産管理に関するシステムは、特定の担当者や部門のみで利用されます。それに対して、勤怠打刻システムは、企業に在籍している全従業員が利用することが特徴です。

    そのため、全従業員が仕組みを理解していなければ打刻漏れが多発し、修正作業に忙殺されることにもなりかねません。業務の効率化のために導入したにもかかわらず、逆に事務作業量が増加するようでは本末転倒です。

    以下、勤怠打刻システムを導入する際に注意すべき点を3つご紹介します。

    3.1説明会・ガイダンスを開催する

    長年、紙ベースで勤怠管理を続けてきた企業の中には、「忙しい時は、後から出勤簿に数日分の労働時間をまとめて記入し、押印する」「月末にまとめて処理する」といったケースがあるかもしれません。そのような社内文化・慣習を変えるためには、勤怠打刻システムを導入する前に説明会・ガイダンスを開催しなければなりません。

    ガイダンスでは、企業側のメリット(数字の記入ミスがなくなり、管理しやすくなる など)だけではなく、従業員側のメリット(スマートフォン用アプリを使えば、直行直帰や出張などでオフィスに顔を出していない状態でも打刻できる など)も丁寧に説明してください。そして、打刻の実演をして、ITが苦手な従業員でも使いこなせるようになるよう粘り強くレクチャーしましょう。

    3.2サポート体制が充実しているか確認する

    勤怠打刻システム・アプリを導入しても、「運用を開始してからイレギュラーな事態が発生し、対処法が分からなくて、結局、手作業で勤怠管理をする」などという状況に陥らないためには、電話やメール、チャットなどでサポートを受けることが可能なサービスを選択しなければなりません。

    みなし労働時間制やフレックスタイム制といった特殊な労働時間制の初期設定を手助けしてくれるかどうかについてもチェックしましょう。システムというものは、一般的に「初期設定」が最も難しい部分です。「初期設定さえ乗り越えてしまえば、後は特に問題なく稼働し続ける」というケースが多々あります。

    3.3クラウド型のサービスを選ぶ

    始業・終業時刻を厳格に管理することは大切ですが、給与計算に至るまでを正確に実行できなければ中途半端であるといわざるを得ません。給与計算に関連する法律・法令はさまざまなものがあり、しばしば法改正が行われています。パッケージ型のソフトウェアを導入すると、法律が改正された際に給与計算を適切に行えなくなる可能性があります。

    最近の主流であるクラウド型サービスであれば、法改正を反映したアップデートにより、常に正確な給与計算を行えます。また、インターネットに接続できる環境さえあれば、どこにいてもスマートフォン用アプリから打刻できるので便利です。

     

    4.スマホ打刻と連携できる機能、サービスがおすすめ

    労働安全衛生法の改正により、2019年4月9日から「労働時間の客観的な把握」が企業の「義務」とされています。また、少子高齢化によって人手不足が深刻化するなか、正確な勤怠管理および給与計算は、魅力的な職場環境を構築し、離職率を下げるためにも不可欠です。

    労働時間の正確な把握、および、正しい給与計算を実行するためには、出勤簿やタイムカードといった紙ベースの処理から脱却しなければなりません。紙に手書きしていたり、表計算ソフトに手入力していたりすると、どうしても数字の記入ミスや転記ミスが発生してしまいます。

    このような問題を解決するために、スマートフォン用アプリと連携できる勤怠打刻システムの導入をおすすめします。アプリから打刻できるシステムなら、出張やリモートワーク中の従業員の勤務時間も簡単に管理できます。また、オフィスに立ち寄らずに始業・終業の際に打刻が可能になるため、直行直帰できる従業員が増加します。導入は、企業側だけではなく、従業員側にとってもメリットがあるといえるでしょう。

    なお、スマートフォンから打刻すれば数字の記入・転記ミスはなくなりますが、打刻漏れはゼロになりません。従業員も人間である以上、操作を忘れることがしばしば発生するものです。その場合は労務担当者が修正しなければなりませんが、システムに不慣れな状態だと上手く対応できず、紙に印刷して作業することになりかねません。

    あらかじめ従業員に対して丁寧なガイダンスを実施したり、労務担当者に研修を実施したりして、スムーズにシステムを運用できる体制を整えてください。

    ちなみに、他の企業に従業員を派遣している場合、派遣先が始業・終業時刻の管理をすることになります。そのため、自社のシステムと上手く連携できないケースが発生するかもしれません。あらかじめ、連携可能なシステム・アプリを使うことを要請しておきましょう。

    勤怠打刻システム・アプリを導入する際には、サポート体制が充実しているかどうかチェックしてください。初期設定やイレギュラーな事態が発生した際の対応を手助けしてくれるサービスを選べば、労務担当者の負担が軽減されます。

    また、法律が改正された際にアップデートで対応してくれることも考慮し、パッケージ型よりも最近主流のクラウド型サービスを導入するほうが良いでしょう。インターネットに接続できる環境があれば、どこにいてもスマートフォンから打刻できることもクラウド型の利点です。

     

    5.まとめ

    勤怠打刻システム・アプリは従業員の出勤・退勤時刻を正確に記録するシステムであり、給与を自動的に計算する機能も含まれているものもあります。

    勤怠打刻システムを導入しても、ITに詳しい担当者がいなく、修正時には結局紙で管理してしまったり、従業員が操作方法を理解できていなく、打刻漏れが多発して、修正作業が増加し、本末転倒につながることもあります。

    そのために、導入時には説明会やガイダンスを開催し、管理側・利用側それぞれに丁寧に説明することが必要であると言えます。
    他にも、導入サポートが含まれていることや法律や法令の変化にもすぐに対応できるサービスであることなど確認いたしましょう。
    本記事の内容が、タイムカードや紙の処理から脱却するために勤怠打刻システム・アプリの導入を検討している労務担当者の参考になれば幸いです。

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